補助金申請の失敗は避けられる
小規模事業者持続化補助金の申請では、多くの事業者が同じような失敗をして不採択となったり、採択後にトラブルに見舞われたりしています。しかし、これらの失敗はほとんどが事前に回避可能なものです。本記事では、補助金申請でよくある5つの失敗パターンと、その対策を詳しく解説します。
失敗1:事業計画書が抽象的で具体性に欠ける
よくある失敗例
NG例:
「ホームページを制作して、売上を増やしたい」
「インターネットで集客を強化する」
「新規顧客を獲得する」
このような抽象的な表現では、審査員に事業の必要性や効果が伝わりません。
対策:数値と具体的な施策を記載
OK例:
「現在、新規顧客の90%が紹介経由だが、紹介件数が年々減少(昨年50件→今年35件)している。ホームページを制作し、『水戸 整体 腰痛』などのキーワードで検索上位を獲得することで、Web経由の新規顧客を月間20件獲得し、年間売上を600万円増加させる」
具体的にすべき項目
- 現状分析:売上、顧客数、来店数などを数値で示す
- 課題:なぜホームページが必要なのか、数値的根拠を示す
- 目標:月間問い合わせ件数、成約率、売上増加額を数値で設定
- 施策:SEO対策、SNS連携、広告運用など具体的な手法を記載
失敗2:ウェブサイト関連費の上限を理解していない
よくある失敗例
「通常枠(上限50万円)で、ホームページ制作費50万円を全額補助してもらえると思っていた」
実際には、ウェブサイト関連費は補助金交付申請額の1/4が上限という制約があります。
正しい計算方法
通常枠(上限50万円)の場合:
- 補助金50万円を受けるには、総申請額75万円が必要(50万円÷2/3)
- Web関連費の上限は75万円×1/4=18.75万円
- つまり、通常枠ではWeb関連費として最大12.5万円しか補助されない
対策:他の経費と組み合わせる
推奨される組み合わせ例:
- ホームページ制作費:50万円
- 広告宣伝費(チラシ、リスティング広告):15万円
- 写真撮影費:5万円
- 販促物制作費(パンフレット):5万円
- 合計:75万円 → 補助金50万円
この場合、ホームページ制作費50万円のうち、Web関連費枠(18.75万円)と、その他の経費からの充当により、実質的に大部分が補助されます。
失敗3:交付決定前に契約・発注してしまう
よくある失敗例
「採択されたので、すぐにWeb制作会社と契約して制作を開始した」
「交付決定通知を待たずに、見積もりを確定して発注した」
これは最も重大な失敗です。交付決定前の契約・発注は補助対象外となり、補助金が一切支給されません。
正しいスケジュール
- 申請締切:Jグランツで電子申請
- 採択発表(約2ヶ月後):採択されたことを確認
- 交付決定通知(採択後数週間):正式な交付決定通知書を受領
- 契約・発注(交付決定後):この時点で初めて契約・発注可能
- 事業実施・納品
- 支払い完了
- 実績報告(事業完了後30日以内)
- 補助金入金(実績報告から約1〜2ヶ月後)
対策:Web制作会社と事前調整
AsamiWorksのような補助金対応実績のあるWeb制作会社では、以下の対応が可能です:
- 申請前の見積もり作成
- 採択後の交付決定待ち期間のヒアリング実施
- 交付決定後の速やかな正式契約・制作開始
- 事業期間内の確実な納品
失敗4:実績報告の書類不備
よくある失敗例
- 領収書の宛名が個人名になっている(事業者名・屋号が必要)
- 振込明細がなく、現金払いの証拠が不十分
- 見積書・請求書・領収書の金額が一致しない
- 成果物(ホームページ)のURLやスクリーンショットが不足
- 納品書・検収書が未提出
対策:書類は事前に確認
必須書類チェックリスト:
- □ 見積書(事業者名・屋号宛)
- □ 契約書(交付決定日以降の日付)
- □ 請求書(内訳明細あり)
- □ 領収書または振込明細(事業者名・屋号宛)
- □ 納品書(成果物の内容を明記)
- □ 検収書(納品を確認した証明)
- □ 成果物のURL
- □ ホームページのスクリーンショット(全ページ)
- □ 実績報告書(事務局指定様式)
支払い方法の注意点
推奨:銀行振込(振込明細が証拠となる)
非推奨:現金払い(領収書のみでは証拠が弱い場合がある)
NG:個人口座からの支払い、個人名義のクレジットカード
失敗5:事業期間内に完了しない
よくある失敗例
「制作が遅れて、補助事業の実施期間内に納品・支払いが完了しなかった」
「実績報告の締切を過ぎてしまった」
補助事業は交付決定から原則6ヶ月以内に完了する必要があります。期間を過ぎた経費は補助対象外となります。
対策:逆算スケジュールを立てる
6ヶ月の事業期間の場合:
- 交付決定日:1月1日
- 契約・発注:1月上旬(交付決定後すぐ)
- ヒアリング・企画:1月中旬〜下旬
- デザイン制作:2月
- コーディング:3月
- テスト・修正:4月
- 納品:5月上旬
- 検収・支払い:5月中旬
- 実績報告書作成・提出:5月下旬〜6月上旬
- 事業期間終了:6月30日
余裕を持ったスケジュール
想定外のトラブル(修正依頼の増加、年末年始の休業など)を考慮し、実績報告締切の1ヶ月前には事業を完了させることを推奨します。
失敗を防ぐためのAsamiWorksのサポート
申請前サポート
- 事業計画書の添削・改善提案(具体的な数値目標の設定)
- ウェブサイト関連費の上限を考慮した見積もり作成
- 他の経費との組み合わせ提案
- 商工会議所との調整サポート
採択後サポート
- 交付決定通知の確認サポート
- 正式契約のタイミング調整
- 事業期間内の確実な納品スケジュール管理
- 補助対象となる正しい書類の発行
実績報告サポート
- 必要書類チェックリストの提供
- 実績報告書の記入サポート
- 成果物(ホームページ)の証拠書類作成
- 不備なく一発で承認される書類作成
まとめ:失敗を避けて確実に補助金を受け取る
補助金申請の失敗は、事前の準備と正しい知識があれば避けることができます。特に以下の5点を守ることが重要です:
- 事業計画書は具体的な数値と施策を記載
- ウェブサイト関連費の上限(1/4)を理解し、他経費と組み合わせる
- 交付決定前は絶対に契約・発注しない
- 実績報告の必要書類を事前に確認し、不備なく準備
- 事業期間内に確実に完了するスケジュール管理
AsamiWorksでは、これらすべての失敗を回避するためのサポートを提供しています。初めての補助金申請でも安心してご相談ください。