Webサイトの運用・保守とは
Webサイトは「作って終わり」ではありません。公開後も定期的な更新、セキュリティ対策、パフォーマンス改善が必要です。
運用・保守の重要性
- セキュリティリスクの軽減 - ハッキングやデータ漏洩を防ぐ
- 検索順位の維持・向上 - 定期更新がSEOに効果的
- ユーザー満足度の向上 - 最新情報を提供し続ける
- トラブルの早期発見 - 問題が大きくなる前に対処
- ビジネス成果の向上 - アクセス解析を基に改善
運用と保守の違い
| 項目 | 運用 | 保守 |
|---|---|---|
| 目的 | サイトの価値を高める | サイトを安全に維持する |
| 具体例 | 記事更新、SNS発信、広告運用 | アップデート、バックアップ、障害対応 |
| 頻度 | 日常的・定期的 | 週次・月次 |
Webサイト運用の具体的な業務
1. コンテンツの更新
定期的な情報発信は、SEOとユーザー満足度の両方に効果的です。
更新すべきコンテンツ
- ブログ記事 - 週1回〜月2回を目安に投稿
- お知らせ - 新商品、キャンペーン、休業日など
- 実績・事例 - 新しいプロジェクトを随時追加
- FAQ - よくある質問を増やす
- 商品・サービス情報 - 価格改定や新メニューの追加
コンテンツ更新のコツ
- 更新頻度を決める - 「毎週金曜日」など、ルーティン化
- ネタをストックしておく - スプレッドシートに記事アイデアをメモ
- 季節のイベントを活用 - 年末年始、GW、お盆などに合わせた情報発信
- ユーザーの声を反映 - 問い合わせ内容を記事化
2. アクセス解析と改善
Google Analyticsなどのツールでデータを分析し、サイトを改善します。
チェックすべき指標
| 指標 | 意味 | 改善方法 |
|---|---|---|
| PV(ページビュー) | ページの閲覧回数 | 記事を増やす、SNSで拡散 |
| UU(ユニークユーザー) | 訪問者数 | SEO対策、広告出稿 |
| 直帰率 | 1ページだけ見て離脱した割合 | 内部リンク追加、コンテンツ改善 |
| 滞在時間 | 平均滞在時間 | 読みやすい記事、動画の追加 |
| コンバージョン率 | 目標達成率(問い合わせ、購入など) | CTA改善、フォーム最適化 |
月次レポートの作成
毎月、以下の項目をまとめたレポートを作成しましょう。
- 訪問者数の推移
- 人気ページTOP10
- 流入元(検索、SNS、広告など)
- コンバージョン数
- 改善施策とその効果
3. SNS・メールマーケティング
Webサイト単体ではなく、SNSやメールマガジンと連携して集客します。
効果的なSNS活用
- Facebook - 30〜50代向け、地域ビジネスに強い
- Instagram - 20〜40代女性向け、ビジュアル重視
- X(旧Twitter) - 拡散力が高い、リアルタイム性
- LinkedIn - BtoB、ビジネス向け
メールマーケティングの基本
- メルマガの定期配信 - 月1〜2回、有益な情報を提供
- ステップメール - 登録後、自動で複数のメールを送信
- セグメント配信 - 興味・属性に応じて内容を変える
Webサイト保守の具体的な業務
1. セキュリティ対策
サイバー攻撃やハッキングから Webサイトを守ります。
定期的に実施すべきセキュリティ対策
- WordPressのアップデート - 本体、テーマ、プラグインを最新化(月1回)
- パスワードの定期変更 - 3〜6ヶ月ごとに変更
- 不要なプラグインの削除 - 使っていないプラグインは無効化・削除
- セキュリティプラグインの導入 - Wordfence、iThemes Securityなど
- ログインURLの変更 - デフォルトの /wp-admin から変更
- 2段階認証の導入 - ログイン時のセキュリティ強化
セキュリティ診断の実施
定期的に脆弱性診断ツールでチェックしましょう。
- WPScan(WordPressの脆弱性スキャン)
- Sucuri SiteCheck(無料のセキュリティスキャン)
- VirusTotal(マルウェアチェック)
2. バックアップ
万が一のトラブルに備え、定期的にバックアップを取得します。
バックアップの種類
| 種類 | 内容 | 頻度 |
|---|---|---|
| ファイルバックアップ | WordPressのファイル、画像など | 週1回 |
| データベースバックアップ | 記事、設定、ユーザー情報など | 毎日 |
| フルバックアップ | ファイル+データベース | 月1回 |
バックアップ方法
- サーバーの自動バックアップ機能 - エックスサーバー等で提供
- WordPressプラグイン - UpdraftPlus、BackWPupなど
- 手動バックアップ - FTPでファイルをダウンロード、phpMyAdminでDBをエクスポート
バックアップデータの保管場所
- Google Drive
- Dropbox
- 外付けHDD
- Amazon S3(大規模サイト向け)
3. パフォーマンス監視
サイトの表示速度やサーバーの負荷を定期的にチェックします。
監視すべき項目
- 表示速度 - PageSpeed Insightsで月1回測定
- サーバー稼働率 - ダウンタイムの確認
- エラーログ - 404エラー、500エラーの発生状況
- ディスク容量 - サーバーの空き容量を確認
パフォーマンス改善のアクション
- 画像の最適化(WebP化、圧縮)
- キャッシュプラグインの導入
- 不要なプラグインの削除
- データベースの最適化
4. エラー・障害対応
サイトにエラーが発生した場合、迅速に対応します。
よくあるエラーと対処法
| エラー | 原因 | 対処法 |
|---|---|---|
| 500 Internal Server Error | サーバー設定エラー、プラグイン不具合 | .htaccess確認、プラグイン無効化 |
| 404 Not Found | ページが存在しない | リンク切れ修正、リダイレクト設定 |
| White Screen of Death | PHPエラー、メモリ不足 | デバッグモード有効化、メモリ上限増加 |
| Database Connection Error | DB接続情報の誤り | wp-config.php確認、DBサーバー確認 |
5. SEO対策の継続
検索順位を維持・向上させるため、継続的なSEO対策が必要です。
定期的に実施すべきSEO施策
- Google Search Consoleの確認 - 週1回、検索パフォーマンスをチェック
- キーワード順位のモニタリング - GRCやRank Trackerで追跡
- 競合サイトの調査 - 上位表示サイトの分析
- リンク切れのチェック - Broken Link Checkerプラグイン
- 記事のリライト - 古い記事を最新情報に更新
運用・保守の体制作り
社内で運用する場合
メリット
- コストを抑えられる
- 迅速な対応が可能
- ノウハウが社内に蓄積される
デメリット
- 専門知識が必要
- 担当者の負担が大きい
- 属人化のリスク
外部に委託する場合
メリット
- 専門家に任せられる
- 社内リソースを本業に集中できる
- 最新の技術・ノウハウを活用できる
デメリット
- 費用がかかる(月1〜5万円程度)
- 社内にノウハウが残りにくい
ハイブリッド型(推奨)
日常的な更新は社内で行い、専門的な保守は外部に委託する方法が効率的です。
- 社内担当:記事投稿、お知らせ更新、SNS発信
- 外部委託:セキュリティ対策、バックアップ、障害対応、SEO施策
運用・保守の費用相場
| サービス内容 | 費用相場(月額) |
|---|---|
| 最小限の保守(バックアップ、セキュリティ) | 5,000円〜10,000円 |
| 基本的な運用・保守(更新、分析含む) | 20,000円〜50,000円 |
| 包括的な運用・保守(記事作成、広告運用含む) | 50,000円〜150,000円 |
| 大規模サイトの運用 | 200,000円〜 |
運用・保守チェックリスト
日次
- ✅ サイトが正常に表示されるか確認
- ✅ お問い合わせフォームの動作確認
週次
- ✅ ブログ記事の投稿(週1回)
- ✅ Google Search Consoleの確認
- ✅ SNSでの情報発信
月次
- ✅ WordPressのアップデート
- ✅ プラグインのアップデート
- ✅ バックアップの取得
- ✅ アクセス解析レポート作成
- ✅ 表示速度の測定
- ✅ セキュリティスキャン
四半期(3ヶ月)
- ✅ パスワードの変更
- ✅ 競合サイトの調査
- ✅ 古い記事のリライト
年次
- ✅ ドメイン・サーバーの更新
- ✅ SSL証明書の更新(自動更新の確認)
- ✅ サイト全体のデザイン見直し
まとめ:継続的な運用・保守で成果を最大化
Webサイトは公開後の運用・保守が成功の鍵です。計画的に管理し、継続的に改善していきましょう。
運用・保守のポイント
- 定期的な更新 - 情報を新鮮に保つ
- データに基づく改善 - アクセス解析を活用
- セキュリティの徹底 - 常に最新の状態を維持
- バックアップの習慣化 - トラブルに備える
- 外部リソースの活用 - 専門家に任せる部分を明確に
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