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技術解説

Webサイトのセキュリティ対策10選|初心者でもできる基本設定

初心者でもできるWebサイトのセキュリティ対策を10個厳選。WordPress、SSL、パスワード管理、バックアップ、アップデートなど基本的な対策をチェックリスト形式で解説します。

#セキュリティ#WordPress#SSL#バックアップ#プラグイン#ハッキング対策

なぜセキュリティ対策が重要なのか

Webサイトへの攻撃は年々増加しており、中小企業サイトも標的になっています。セキュリティ対策を怠ると、以下のような被害に遭う可能性があります:

  • サイト改ざん:トップページが書き換えられる、不正な広告が表示される
  • 情報漏洩:顧客情報、メールアドレスなどが流出
  • マルウェア感染:訪問者のPCにウイルスを配布してしまう
  • SEO被害:Googleに「危険なサイト」と判定され、検索結果から除外
  • 信用失墜:企業イメージの低下、取引先からの信頼喪失

攻撃の実態(2024年データ)

攻撃種類 被害件数 主な被害
不正ログイン 年間約8万件 サイト改ざん、情報窃取
SQLインジェクション 年間約5万件 データベース情報の漏洩
XSS攻撃 年間約3万件 ユーザー情報の窃取
DDoS攻撃 年間約2万件 サイトダウン、営業停止

対策1: 強固なパスワードの設定

最も基本的ですが、最も重要なセキュリティ対策です。

強固なパスワードの条件

  • 12文字以上(16文字以上が理想)
  • 英大文字、英小文字、数字、記号を混在
  • 辞書に載っている単語を使わない
  • 生年月日、電話番号など推測されやすい情報を使わない
  • サービスごとに異なるパスワードを設定

良いパスワード例 vs 悪いパスワード例

悪い例 理由 良い例
password123 単純すぎる K9#mP2$vX8@qL5!n
tanaka1980 名前+生年月日 Tr7!uK@3pY#9sW2m
abc12345 連続した文字 Qw9$Er2@Ty5#Ui8!

パスワード管理ツールの活用

複雑なパスワードを覚えるのは困難です。パスワード管理ツールを使いましょう:

  • 1Password:有料($2.99/月〜)、高機能
  • Bitwarden:無料、オープンソース
  • LastPass:無料版あり
  • KeePass:無料、オフライン管理

対策2: SSL証明書の導入(常時SSL化)

前述のSSL化は、セキュリティ対策の基本中の基本です。

SSL化のメリット

  • 通信内容の暗号化(第三者による盗聴を防ぐ)
  • Google検索順位の向上
  • ブラウザの警告表示回避
  • ユーザーからの信頼獲得

未対応の場合: すぐに対応してください。多くのレンタルサーバーで無料SSL(Let's Encrypt)が利用可能です。

対策3: WordPressの定期的なアップデート

WordPress本体、テーマ、プラグインの脆弱性を突いた攻撃が多発しています。常に最新版に保つことが重要です。

アップデート対象

対象 推奨頻度 自動更新
WordPress本体 即時 マイナーアップデートは自動
プラグイン 週1回確認 設定で自動化可能
テーマ 月1回確認 設定で自動化可能

アップデート前の注意点

  • 必ずバックアップを取る
  • テスト環境で動作確認(可能なら)
  • メンテナンスモードを有効化
  • 更新後、サイトの動作を確認

対策4: セキュリティプラグインの導入

WordPressには、セキュリティを強化するプラグインが多数あります。

おすすめセキュリティプラグイン

プラグイン名 主な機能 料金
SiteGuard WP Plugin ログインURL変更、画像認証、ログイン履歴 無料
Wordfence Security ファイアウォール、マルウェアスキャン 無料(有料版あり)
iThemes Security 総合的なセキュリティ強化 無料(Pro版あり)
All In One WP Security 初心者向け、設定が簡単 無料

SiteGuard WP Pluginの基本設定

  1. プラグインをインストール・有効化
  2. 「ログインページ変更」を有効化
    • デフォルトの/wp-admin/から変更
    • 例:/login_abc123/
  3. 「画像認証」を有効化
    • ログイン時に画像文字を入力させる
  4. 「ログイン詳細エラーメッセージの無効化」を有効化
    • 「ユーザー名が間違っています」等の詳細を非表示に
  5. 「ログインロック」を有効化
    • 一定回数ログイン失敗したらロック

対策5: 定期的なバックアップ

万が一の被害に遭っても、バックアップがあれば復旧できます。

バックアップ対象

  • データベース:記事、コメント、設定情報など
  • ファイル:テーマ、プラグイン、アップロード画像など

バックアッププラグイン

プラグイン名 特徴 料金
BackWPup 無料、日本語対応、Dropbox連携 無料
UpdraftPlus 復元が簡単、クラウド保存対応 無料(Pro版あり)
BackupBuddy 有料だが高機能、サイト移転にも対応 有料($80〜/年)

推奨バックアップ頻度

サイトの更新頻度 推奨バックアップ頻度
毎日更新 毎日
週数回更新 週1回
月数回更新 週1回または月2回
ほぼ更新なし 月1回

対策6: 管理者ユーザー名の変更

WordPressのデフォルトユーザー名「admin」は、攻撃者が真っ先に試す文字列です。

ユーザー名変更手順

  1. 新しい管理者ユーザーを作成
    • 「ユーザー」→「新規追加」
    • ユーザー名を推測されにくいものに
    • 権限グループ:管理者
  2. 新ユーザーでログイン
  3. 古い「admin」ユーザーを削除
    • 「ユーザー」→「admin」→「削除」
    • 投稿を新ユーザーに引き継ぐ

推奨ユーザー名

  • ❌ admin、administrator、root
  • ❌ 会社名、サービス名
  • ⭕ ランダムな文字列(例:user_k9m2p8)
  • ⭕ 推測されにくい独自の文字列

対策7: ファイルのパーミッション設定

適切なパーミッション(アクセス権限)を設定することで、不正な改ざんを防ぎます。

推奨パーミッション設定

対象 推奨値 説明
ディレクトリ 755 所有者:読み書き実行、その他:読み実行のみ
PHPファイル 644 所有者:読み書き、その他:読みのみ
wp-config.php 400または440 所有者:読みのみ(特に重要)
.htaccess 644 所有者:読み書き、その他:読みのみ

パーミッション変更方法

FTPソフト(FileZillaなど)で:

  1. 対象ファイル/フォルダを右クリック
  2. 「ファイルのパーミッション」を選択
  3. 数値を入力(例:755、644)
  4. 「OK」をクリック

対策8: 不要なプラグイン・テーマの削除

使っていないプラグインやテーマも、脆弱性の入り口になります。

削除対象

  • 無効化しているプラグイン
  • 使っていないテーマ(有効テーマ以外)
  • 何年も更新されていないプラグイン・テーマ

削除手順

  1. 「プラグイン」→「インストール済みプラグイン」
  2. 無効化しているプラグインの「削除」をクリック
  3. 「外観」→「テーマ」
  4. 使っていないテーマの「削除」をクリック

注意: 削除前に必ずバックアップを取りましょう。

対策9: データベースのプレフィックス変更

WordPressのデータベーステーブルは、デフォルトでwp_という接頭辞がついています。これを変更すると、SQLインジェクション攻撃のリスクが減ります。

変更方法(上級者向け)

注意: 誤った操作でサイトが壊れる可能性があります。必ずバックアップを取り、詳しい人に相談してから実施してください。

  1. phpMyAdminでデータベースにアクセス
  2. すべてのテーブルを選択
  3. 「テーブル名の変更」でwp_を任意の文字列(例:abc123_)に置換
  4. wp-config.php$table_prefixを変更
  5. 特定のテーブル内のデータも置換(wp_optionswp_usermeta等)

初心者の方へ: この設定は難易度が高いため、専門家に依頼することをおすすめします。

対策10: セキュリティ診断ツールの定期実行

定期的にセキュリティ診断を実施し、脆弱性を早期発見しましょう。

無料セキュリティ診断ツール

ツール名 診断内容 URL
WPScan WordPress脆弱性スキャン wpscan.com
Sucuri SiteCheck マルウェア、ブラックリスト確認 sitecheck.sucuri.net
VirusTotal URLのマルウェアスキャン virustotal.com

診断の推奨頻度

  • 月1回:定期診断
  • WordPress更新後:動作確認と同時に診断
  • 異常を感じたとき:すぐに診断

セキュリティ対策チェックリスト

対策項目 実施状況 優先度
強固なパスワード設定 ★★★★★
SSL証明書の導入(常時SSL化) ★★★★★
WordPressの定期アップデート ★★★★★
セキュリティプラグイン導入 ★★★★☆
定期的なバックアップ ★★★★★
管理者ユーザー名の変更 ★★★★☆
ファイルパーミッション設定 ★★★☆☆
不要なプラグイン・テーマ削除 ★★★☆☆
DBプレフィックス変更 ★★☆☆☆
セキュリティ診断ツール実行 ★★★☆☆

まとめ:セキュリティは継続的な取り組み

Webサイトのセキュリティ対策は、一度実施すれば終わりではありません。継続的に以下を実施しましょう:

  1. 強固なパスワードを設定し、定期的に変更
  2. SSL証明書を導入し、常時HTTPS化
  3. WordPress本体・プラグイン・テーマを常に最新版に
  4. セキュリティプラグインで防御を強化
  5. 定期的にバックアップを取り、復旧に備える
  6. 不要なファイル・プラグインは削除
  7. 月1回、セキュリティ診断を実施

AsamiWorksでは、セキュリティ診断から対策実施まで一貫してサポートしています。既存サイトのセキュリティ強化も対応可能。まずは無料相談で、貴社サイトのセキュリティ診断を受けてみませんか?

執筆者

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