サーバーアップロードマニュアル
ZIPファイルでの納品後、お客様のサーバーにアップロードする手順を詳しく解説します
最終更新:2025年12月5日
目次
1. 納品物の概要
📌 このマニュアルについて
このマニュアルは、静的HTMLサイトやPHPアプリケーションを対象としています。Next.jsなどのモダンフレームワークを使用したサイトの場合は、ビルドプロセスやデプロイ方法が異なるため、別途ご案内いたします。必ずREADME.txtをご確認ください。
納品されるZIPファイルには、以下のファイルとフォルダが含まれています(例):
your-website.zip ├── index.html # トップページ ├── about.html # 会社概要ページ ├── services.html # サービスページ ├── contact.html # お問い合わせページ ├── css/ # スタイルシート │ ├── style.css │ └── responsive.css ├── js/ # JavaScript │ └── script.js ├── images/ # 画像ファイル │ ├── logo.png │ └── ... ├── fonts/ # フォントファイル ├── .htaccess # Apache設定ファイル └── README.txt # 重要な注意事項
⚠️ アップロード前の必須確認事項
- 必ずREADME.txtを最初にお読みください(プロジェクト固有の重要な情報が記載されています)
- 既存のファイルがある場合は、必ずバックアップを取ってください
- データベースを使用する場合は、別途データベース設定が必要です
- ファイル構造は案件により異なる場合があります
2. サーバー要件
基本要件
| 項目 | 要件 |
|---|---|
| Webサーバー | Apache 2.4以上 または Nginx 1.18以上 |
| PHP(必要な場合) | PHP 8.1以上推奨(PHP 8.2以降を推奨) |
| データベース(必要な場合) | MySQL 5.7以上 または MariaDB 10.3以上 |
| SSL証明書 | 推奨(Let's Encrypt等の無料証明書でOK) |
| ディスク容量 | 最低1GB以上推奨 |
重要:PHPバージョンについて
PHP 8.0は2023年11月にセキュリティサポートが終了しています。2025年現在、PHP 8.1以上(できればPHP 8.2以降)の使用を強く推奨します。セキュリティ上のリスクを避けるため、古いバージョンをご使用の場合は早急にアップデートしてください。
推奨レンタルサーバー
- エックスサーバー(スタンダードプラン以上)
- ConoHa WING(ベーシックプラン以上)
- さくらのレンタルサーバ(スタンダードプラン以上)
- ロリポップ!(ハイスピードプラン以上)
- カラフルボックス(BOX2プラン以上)
3. 一般的なアップロード手順
FTPクライアントを使った方法
ステップ1: FTPクライアントのインストール
以下のいずれかのFTPクライアントをインストールしてください:
- FileZilla(無料・Windows/Mac/Linux対応)
- Cyberduck(無料・Windows/Mac対応)
- WinSCP(無料・Windows専用)
ステップ2: FTP接続情報の確認
レンタルサーバーの管理画面から以下の情報を確認してください:
| FTPホスト名 | 例:ftp.example.com |
| FTPユーザー名 | 例:user@example.com |
| FTPパスワード | サーバー契約時に設定したパスワード |
| ポート番号 | 通常21(SFTP使用時は22) |
ステップ3: FTPクライアントで接続
- FTPクライアントを起動
- 「新しいサイト」または「新規接続」をクリック
- FTP接続情報を入力
- 「接続」ボタンをクリック
セキュリティのヒント:
可能な限り「SFTP」や「FTPS」などの暗号化接続を使用してください。
ステップ4: ZIPファイルの解凍
- 納品されたZIPファイルをローカルPCで解凍
- 解凍先フォルダを確認
- README.txtの内容を確認
ステップ5: ファイルのアップロード
- FTPクライアントの右側(サーバー側)で、公開ディレクトリに移動
- 多くの場合:
public_html、www、htdocs
- 多くの場合:
- FTPクライアントの左側(ローカル側)で、解凍したフォルダを開く
- すべてのファイルとフォルダを選択
- サーバー側にドラッグ&ドロップ
- アップロードが完了するまで待つ(数分〜数十分)
⚠️ 重要:
既存のファイルを上書きする場合、必ず事前にバックアップを取ってください。
ステップ6: パーミッション設定
特定のフォルダやファイルのパーミッション(アクセス権限)設定が必要な場合があります:
| 対象 | 推奨パーミッション |
|---|---|
| HTMLファイル | 644(rw-r--r--) |
| PHPファイル | 644(rw-r--r--) |
| CSSファイル | 644(rw-r--r--) |
| JSファイル | 644(rw-r--r--) |
| 画像ファイル | 644(rw-r--r--) |
| フォルダ | 755(rwxr-xr-x) |
| .htaccess | 644(rw-r--r--) |
パーミッション設定は、ファイルを右クリック → 「パーミッションの変更」から行えます。
ステップ7: 動作確認
- ブラウザで「https://あなたのドメイン/」にアクセス
- トップページが正しく表示されるか確認
- 各ページのリンクが正しく動作するか確認
- お問い合わせフォームが正しく送信できるか確認
- スマホやタブレットでも表示を確認
4. レンタルサーバー別手順
エックスサーバー
FTP接続情報の確認方法
- サーバーパネルにログイン
- 「FTPアカウント設定」をクリック
- FTPソフトに必要な設定が表示されます
公開ディレクトリ
/ドメイン名/public_html/
ファイルマネージャーでのアップロード
- サーバーパネルで「ファイルマネージャ」をクリック
- 対象ドメインの「public_html」フォルダを開く
- 「アップロード」ボタンからファイルをアップロード
エックスサーバーのポイント:
- ZIPファイルをそのままアップロードして、サーバー上で解凍可能
- WordPressの自動インストール機能あり
- 無料独自SSL標準対応
ConoHa WING
FTP接続情報の確認方法
- ConoHaコントロールパネルにログイン
- 「サイト管理」→「サイト設定」→「応用設定」
- 「FTP情報」で接続情報を確認
公開ディレクトリ
/public_html/
ファイルマネージャーでのアップロード
- サイト管理画面で「ファイルマネージャー」をクリック
- 「public_html」フォルダを開く
- ファイルをドラッグ&ドロップでアップロード
ConoHa WINGのポイント:
- 高速なSSD+LiteSpeed採用
- 無料独自SSL標準対応
- バックアップ機能標準装備
さくらのレンタルサーバ
FTP接続情報の確認方法
- サーバコントロールパネルにログイン
- 「サーバー情報」→「サーバー情報の表示」
- FTPサーバー名などを確認
公開ディレクトリ
/home/アカウント名/www/
ファイルマネージャーでのアップロード
- コントロールパネルで「ファイルマネージャー」をクリック
- 「www」フォルダを開く
- 「アップロード」ボタンからファイルをアップロード
さくらサーバーのポイント:
- 日本の老舗レンタルサーバー
- スタンダードプラン以上でデータベース利用可能
- Let's Encrypt SSL証明書無料
ロリポップ!
FTP接続情報の確認方法
- ユーザー専用ページにログイン
- 「アカウント情報」→「サーバー情報」
- FTPサーバー、FTPアカウントを確認
公開ディレクトリ
初期ドメインの場合:/(ルートディレクトリ)
独自ドメインの場合:各ドメインのフォルダ
ロリポップ!FTPでのアップロード
- ユーザー専用ページで「ロリポップ!FTP」をクリック
- 対象のフォルダを開く
- 「アップロード」からファイルをアップロード
ロリポップ!のポイント:
- 低価格で初心者にも優しい
- ハイスピードプラン以上でLiteSpeed採用
- 無料独自SSL標準対応
カラフルボックス
FTP接続情報の確認方法
- cPanelにログイン
- 「FTPアカウント」をクリック
- FTPアカウント情報を確認
公開ディレクトリ
/public_html/
ファイルマネージャーでのアップロード
- cPanelで「ファイルマネージャー」をクリック
- 「public_html」フォルダを開く
- 「アップロード」ボタンからファイルをアップロード
カラフルボックスのポイント:
- LiteSpeed+HTTP/3対応
- 地域別自動バックアップ機能
- 無料独自SSL標準対応
5. データベース設定(必要な場合)
お問い合わせフォームやWordPressなど、データベースを使用する場合は以下の設定が必要です。
ステップ1: データベースの作成
- サーバーの管理画面にログイン
- 「データベース」または「MySQL設定」をクリック
- 「データベースの作成」をクリック
- データベース名を入力(例:your_site_db)
- 文字コードは「UTF-8(utf8mb4)」を選択
- 「作成」をクリック
ステップ2: データベースユーザーの作成
- 「データベースユーザーの作成」をクリック
- ユーザー名を入力(例:your_site_user)
- 強固なパスワードを設定
- 「作成」をクリック
ステップ3: ユーザーとデータベースの紐付け
- 作成したデータベースとユーザーを紐付け
- 「すべての権限」を付与
ステップ4: 設定ファイルの編集
納品されたファイルに設定ファイル(例:config.php、.env)が含まれている場合、以下の情報を記入:
| データベースホスト | 通常「localhost」または「mysql〜.db.sakura.ne.jp」など |
| データベース名 | 作成したデータベース名 |
| ユーザー名 | 作成したユーザー名 |
| パスワード | 設定したパスワード |
⚠️ セキュリティ上の注意:
- データベースパスワードは推測されにくい複雑なものにしてください
- 設定ファイルのパーミッションは644以下に設定してください
- 定期的にデータベースのバックアップを取ってください
6. SSL証明書の設定
現代のWebサイトでは、SSL証明書(HTTPS化)は必須です。ほとんどのレンタルサーバーでは無料のSSL証明書が利用できます。
エックスサーバーでのSSL設定
- サーバーパネルにログイン
- 「SSL設定」をクリック
- 対象ドメインを選択
- 「独自SSL設定追加」タブをクリック
- 「確認画面へ進む」→「追加する」をクリック
- 数分〜1時間程度で設定が反映されます
ConoHa WINGでのSSL設定
- コントロールパネルにログイン
- 「サイト管理」→「サイトセキュリティ」
- 「無料独自SSL」の「利用する」をONに
- 数分で設定が完了します
さくらのレンタルサーバでのSSL設定
- コントロールパネルにログイン
- 「ドメイン/SSL」→「証明書」
- 対象ドメインの「登録」をクリック
- 「無料SSLの設定へ進む」をクリック
- 「無料SSLを設定する」をクリック
ロリポップ!でのSSL設定
- ユーザー専用ページにログイン
- 「セキュリティ」→「独自SSL証明書導入」
- 対象ドメインにチェックを入れる
- 「独自SSL(無料)を設定する」をクリック
HTTPSへのリダイレクト設定
SSL設定後、HTTPアクセスを自動的にHTTPSにリダイレクトするよう設定します。
.htaccessファイルに以下を追加:
# HTTPSへのリダイレクト
RewriteEngine On
RewriteCond %{HTTPS} off
RewriteRule ^(.*)$ https://%{HTTP_HOST}%{REQUEST_URI} [R=301,L]注意: 納品されたファイルに.htaccessが含まれている場合、既にこの設定が含まれている可能性があります。
7. トラブルシューティング
🔴 アップロード後、ページが表示されない
考えられる原因と対処法:
- index.htmlが正しい場所にない
→ public_htmlフォルダ直下にindex.htmlがあるか確認
- ファイル名の大文字小文字が違う
→ Linuxサーバーでは大文字小文字が区別されます。ファイル名を確認してください
- パーミッション設定が間違っている
→ HTMLファイルは644、フォルダは755に設定
- DNSの伝搬が完了していない
→ ドメイン設定後、反映には最大48時間かかる場合があります
🔴 画像が表示されない
考えられる原因と対処法:
- 画像のパスが間違っている
→ 画像フォルダが正しい場所にあるか確認
- 画像ファイル名の大文字小文字が違う
→ HTMLの記述と実際のファイル名が一致しているか確認
- 画像のパーミッションが適切でない
→ 画像ファイルのパーミッションを644に設定
🔴 お問い合わせフォームが動作しない
考えられる原因と対処法:
- PHPが動作していない
→ サーバーでPHPが有効になっているか確認
- メール送信設定が正しくない
→ 設定ファイルのメールアドレスを確認
- ファイルのパーミッションが適切でない
→ PHPファイルのパーミッションを644に設定
- セキュリティ設定で送信がブロックされている
→ サーバーのWAF設定を確認
🔴 CSSが適用されない
考えられる原因と対処法:
- CSSファイルのパスが間違っている
→ HTMLからCSSファイルへのパスを確認
- ブラウザのキャッシュが残っている
→ Ctrl+F5(Mac: Cmd+Shift+R)で強制リロード
- CSSファイルがアップロードされていない
→ cssフォルダがサーバーにあるか確認
🔴 500 Internal Server Error が表示される
考えられる原因と対処法:
- .htaccessの記述にエラーがある
→ .htaccessを一時的にリネームして動作確認
- PHPのバージョンが合っていない
→ サーバーのPHPバージョンを確認・変更
- パーミッション設定が不適切
→ 実行権限が不要なファイルに実行権限がついていないか確認
🔴 403 Forbidden が表示される
考えられる原因と対処法:
- index.htmlがない
→ public_html直下にindex.htmlがあるか確認
- パーミッションが厳しすぎる
→ フォルダは755、ファイルは644に設定
- .htaccessでアクセス制限がかかっている
→ .htaccessの記述を確認
8. よくある質問
Q. FTPとSFTPの違いは何ですか?
FTPは通信が暗号化されていないため、パスワードなどが盗聴される可能性があります。SFTPは通信が暗号化されているため、セキュリティ面で優れています。可能な限りSFTPを使用することをおすすめします。
Q. アップロードにかかる時間はどのくらいですか?
ファイル数や容量、インターネット回線の速度によりますが、通常の小規模サイト(50〜100ファイル)で5〜15分程度です。大規模サイトや画像が多い場合は30分〜1時間程度かかることもあります。
Q. 既存のサイトを残したまま新しいサイトをアップロードできますか?
はい、可能です。既存のファイルを「old」などの名前のフォルダに移動してから、新しいファイルをアップロードしてください。ただし、必ず事前にバックアップを取ることをおすすめします。
Q. WordPressサイトの場合、追加の設定は必要ですか?
はい。WordPressの場合は以下の追加設定が必要です:
1. データベースの作成
2. wp-config.phpファイルの編集
3. WordPress管理画面での初期設定
詳細は納品時の別途マニュアルをご確認ください。
Q. 自分でアップロードするのが不安です。代行してもらえますか?
はい、アップロード代行サービスもご用意しております(20,000円・税抜)。サーバーのFTP情報をご提供いただければ、弊社にてアップロードおよび動作確認まで行います。詳しくは無料相談フォームからお問い合わせください。
Q. アップロード後、サイトが正しく表示されているか確認してもらえますか?
はい。アップロード代行サービスをご利用いただいた場合、動作確認も含まれます。ご自身でアップロードされた場合でも、別途有償で確認サポートを承ることも可能です。
Q. ドメインとサーバーは別々に契約できますか?
はい、可能です。ドメインは「お名前.com」「ムームードメイン」などのドメイン専門業者、サーバーは「エックスサーバー」「ConoHa WING」などのレンタルサーバー会社と別々に契約できます。ただし、DNS設定が必要になるため、初心者の方は同じ会社で契約する方が簡単です。
Q. バックアップはどのように取れば良いですか?
FTPクライアントを使って、サーバー上のすべてのファイルをローカルPCにダウンロードすることでバックアップできます。データベースを使用している場合は、サーバーの管理画面から「データベースのエクスポート」を行ってください。定期的(最低でも月1回)のバックアップをおすすめします。
サポートが必要な場合
このマニュアルを見ても解決しない場合や、アップロード代行をご希望の場合は、お気軽にお問い合わせください。